2026年北中米ワールドカップ(W杯)グループJ第1節、アルゼンチン代表対アルジェリア代表で、リオネル・メッシがハットトリックを達成し世界を沸かせた。しかし試合後、ネット上で急速に拡散されているのはゴールシーンではない。前半31分、メッシがアルジェリア代表DFアイサ・マンディの右足ふくらはぎを足裏で踏みつける形となった場面だ。主審はカードを出さず、VARも介入しなかったことで「なぜ退場にならなかったのか」という疑問の声が世界中で上がっています。
メッシの問題の場面はこれ【動画・画像】
前半31分、自陣バイタルエリアでボールを奪おうとしたメッシが、遅れたタックルを仕掛けてマンディを転倒させました。リプレー映像では、メッシの左足裏(スパイクのスタッド)が、マンディの右足ふくらはぎからアキレス腱付近にもろに入る形が確認できます。
マンディは苦悶の表情を浮かべながらファウルをアピール。VARによる確認を求める仕草を見せましたが、主審のシモン・マルチニアク(ポーランド)はファウルを宣告してアルジェリア代表ボールで再開したものの、イエローカードすら提示しませんでした。VARも介入なし。メッシ自身も判定を気にするような表情を見せたと報じられています。
※問題の場面はX(旧Twitter)上で複数の映像が拡散されています。「Messi Mandi foul 2026」などで検索すると確認できます。

何が問題とされているのか
サッカーのルール上、相手選手の足を踏みつける「ストンプ(足裏踏みつけ)」は、故意・過失を問わず「著しく不正なプレー」に該当する可能性があります。足裏でふくらはぎをヒットする動作は、相手に重大な怪我を負わせるリスクがあるとして、通常は厳しく判定されるプレーです。
今回の場面が問題とされている論点は主に2つです。
①主審マルチニアクがイエローカードすら出さなかったこと
ファウルは認定されたにもかかわらず、相手の安全を脅かしたとも見られるプレーに対してカードがゼロでした。
②VARが介入しなかったこと
危険なプレーに対してVARがオンフィールドレビューを勧告できる仕組みがあるにもかかわらず、今回はそのプロセスが省かれました。主審の判定に「明白な誤りがない」とVAR担当者が判断した形ですが、その基準についてFIFAからの公式説明はありません。
なお主審のマルチニアクは、2022年カタールW杯決勝(アルゼンチン対フランス)を担当した世界トップクラスのレフェリーです。今大会でもアルゼンチン初戦の笛を吹いていることへの指摘も出ています。
ネット・ファンの反応
この場面の映像がSNSで急速に拡散され、国内外で大きな反響を呼んでいます。
DAZNの解説を務めた田中マルクス闘莉王氏は「メッシだから見ねぇんじゃねーかっていう…(笑)」と冗談交じりにコメントしたと伝えられています。
米スポーツ専門局ESPNのコメンテーターで元マンチェスター・シティのネダム・オヌオハ氏は「あれはおそらくレッドカードだったと思う。なぜ見逃されたのかわからない」と述べ、元ベネズエラ代表のアレハンドロ・モレノ氏は「100パーセント、レッドカードだ。間違いなくレッドカードになるべきだった」と強く訴えました。
オーストラリアメディア『7NEWS』は「罰せられずにピッチに留まることが許されたことにファンは憤慨している」と伝え、以下のような声を紹介しています。
「これは絶対にレッドカードだ。メッシ自身も自分のミスに気づいていたのに、イエローカードすら出されなかったなんて」「レッドカードに値する反則だが、イエローカードもVARチェックもなかった」「もし他の選手があのファウルを犯していたら、間違いなく退場になっていた。メッシがピッチに残れた唯一の理由は、彼がメッシだからだ」
一方で「プレスの流れの中での接触で意図的ではなかった」「主審がリアルタイムで見て判断した結果」という擁護意見もあり、賛否は割れています。
マルチニアク主審とアルジェリア戦、この試合で指摘されたもう一つの疑惑
足裏タックルの判定に加え、この試合では審判をめぐる別の指摘も出ています。
試合序盤の5分、メッシがゴールネットを揺らした場面では副審が即座にオフサイドを判定し、ビデオ確認なしで得点が取り消されました。一方、その直後にアルジェリアのファレス・シャイビが得点を挙げた場面では、フラッグが上がらず攻撃続行。その後VARが介入してオフサイドと判定されました。
「アルゼンチンのゴールは即座に取り消され、アルジェリアのゴールはVAR後に取り消された。対応の違いが不審」との指摘がアルジェリア側のメディアから出ており、試合全体を通じた判定の一貫性への疑問も浮上しています。
アルジェリア代表元DFジャマル・ベルアマーリは「審判はメッシに同情していた。あのタックルは退場ものだ」と語り、あるアルジェリアのスターは「もしメッシが退場させられたら、その審判は地球から追放されるだろう」と皮肉交じりにコメントしたと報じられています。
まとめ
メッシはハットトリックでW杯通算16得点を記録し、クローゼ氏の歴代最多記録に並ぶ歴史的な活躍を見せました。ただ、その陰に「なぜカードが出なかったのか」「なぜVARが動かなかったのか」という疑問が残っています。元プレミアリーグ主審のマーク・ハルシー氏は英紙『ミラー』の取材に「暴力行為に分類されるプレーで、処分されるべきだった」と語っており、今後の大会での判定基準にも注目が集まっています。
新情報が入り次第、追記します。