2026年6月14日(現地時間)、ダラス・スタジアム。1−2で迎えた89分、MF鎌田大地の頭にボールが当たりゴールネットを揺らした。劇的な同点。日本中が沸いた瞬間だ。だがそれ以上にSNSを騒がせたのは、3年前のある発言だった。「漫画の主人公すぎて草」「そこらへんの漫画家より伏線回収が上手い」——なぜそんな声が溢れたのか。鎌田大地という男の89分に迫る。
「すんってやんねんけど、それで入るよ」3年前の伏線
ファンが掘り起こしたのは、2023年6月のペルーとの親善試合に向けての練習の合間に撮影された動画だ。伊東や菅原らとセットプレーについて語る中で、鎌田は「ボールに向かってめちゃ早く走って、ここ(頭の後ろ)ですんってやんねんけど、それで入るよ」と豪語。「マリオカートのあの速くなんのと一緒」という独特の例えで表現していた。
日本サッカー協会公式YouTubeで公開されたこの動画は当時も話題になったが、まさかW杯本番で完全再現されるとは誰も思っていなかった。
「3年前にオランダ戦のゴールの伏線張って回収する鎌田大地天才すぎる」「有言実行過ぎるwww」「やっぱり鎌田こわいわ」と称賛の声が相次いだ。
89分、何が起きていたのか
右CKからMF伊東純也が右足でクロスを蹴り込むと、MF鎌田大地がブロックしていたことで対応が遅れたDFフィルジル・ファン・ダイクの頭上を越えたボールに対して、FW小川航基がバックステップを踏みながらヘディング。小川のヘディングシュートは鎌田の頭をかすめ、わずかにコースが変わってゴールネットを揺らした。
鎌田本人は「すごいラッキーだな」と正直な感想を語りつつ、「ファン・ダイク選手をブロックするという形で、いいブロックがきて、その後ゴール前に詰めるという感じで考えていた中でボールが来て、触ってというか当たっちゃったぐらいの感じ」と振り返った。
「ラッキー」と本人は言うが、ファン・ダイクをブロックしてゴール前に詰める動き自体は完全に意図的なものだった。3年前の「理論」が生きていた、という声もある。
「得点者訂正」でSNSが二度騒然
試合を配信したDAZNは公式Xで得点直後に「小川航基が有言実行の同点弾!」と速報を投稿。しかし約6分後には「※公式記録で鎌田大地選手の得点となりました」と訂正を入れる事態となった。
「鎌田の1mmやん」「三笘の1ミリの次は鎌田のヘディング」「マジでこの小川航基→鎌田大地の連続技はマンガみたいだな」と、あの”1ミリ”の記憶とともに語り継がれる同点弾になった。
「ありがとうバロン」——天を指差した理由
ゴール後、鎌田は天を指差すパフォーマンスを披露した。試合後、その理由が明かされSNSがさらに沸騰した。
鎌田は自身のXに「My dream come true. ありがとうバロン」と投稿。亡き愛犬バロンに捧げるゴールであることを明かした。投稿には試合後の笑顔のセルフィーや、天を指差して喜ぶ姿、愛犬のユニフォーム姿の写真が添えられた。
ファンからは「だから試合中に空を見上げたのか」「感動をありがとう」と大きな反響を呼んだ。 鎌田本人も「本当に神様が見てくれているんだなと」と語った。伏線回収、亡き愛犬への誓い、W杯初ゴール。すべてが89分に重なった。
次戦・チュニジア戦へ
鎌田は「前回のW杯は2戦目で少し不甲斐ない試合をしてしまったので、2戦目でしっかり勝ち点3を取って、グループ突破を決めたいと思います」と語り、次戦を見据えた。
日本代表の次戦は日本時間6月21日、グループF第2節のチュニジア戦だ。鎌田大地のW杯物語は、まだ始まったばかりだ。
新情報が入り次第、追記します。