ワールドカップサッカー

ショーン・エバンス VAR審判のジェスチャーが物議【画像】「差別的シンボルでFIFAが調査に乗り出した」W杯ドイツキュラソー戦

ワールドカップサッカー

2026年北中米ワールドカップで、試合とは無関係の”ある場面”が世界中に拡散し大きな波紋を広げた。6月14日、米ヒューストン・スタジアムで行われたドイツ対キュラソー戦で、VARを担当したオーストラリア人審判ショーン・エバンス氏の右手のジェスチャーが物議を醸した。サッカーの判定ではなく、審判自身の”たった一つの動作”が問題となった今回の件を詳しく追う。


ショーン・エバンスの問題の場面はこれ【画像】

今大会では試合開始前に世界中継で審判団が紹介される。中継は主審と副審がタッチラインに向かう様子から始まり、名前と役割をグラフィック表示する形式だ。審判団はモニターではなくカメラに向かい、名前が映し出されるのを待っている。この映像の中で、エバンス氏が両腕を降ろして立ち、右手で逆さまの「OK」サインを作っていたことが問題となった。

このジェスチャーは親指と人差し指を合わせ、残りの指を伸ばす動作で、一般的にはOKサインとして認識される。しかし最近では、3本の指で「W」を、親指と人差し指で「P」を形作り、「ホワイト・パワー(白人至上主義)」を象徴する意味でも使われているとして議論の的になっている。


何が問題とされているのか

論点は「意図的な差別表現だったのか、それとも偶然の仕草だったのか」という1点に尽きる。米メディア「ジ・アスレチック」は、エバンス氏が人種差別の1つである白人至上主義を象徴する手の動きをしたとして非難されていると報道。

さらに「このジェスチャーは、オーストラリア出身の白人至上主義者が2019年にニュージーランドで引き起こした銃乱射事件で逮捕された際に広まったとされており、エバンス審判もオーストラリア国籍であるため波紋がさらに大きくなっている」と伝えた。

一方で反差別団体は、こうした事例を評価する際には慎重さが必要だと主張している。「OK」サインの現在の使用例の大部分は依然として肯定的な意味合いを持ち、憎悪表現とは全く無関係だからだという。


ファンの反応

この映像はSNSで瞬く間に拡散した。「W杯の審判がこのジェスチャーをするとはどういうことか」「意図的では?」という批判的な声が上がる一方、「よく見ればただのOKサインでは?」「過剰反応ではないか」という擁護・疑問の声も根強く、意見が二分された。

2024年パリオリンピックでも同様のジェスチャーをした請負業者のプレスパスが取り消された事例があり、2019年にはBBCが「OK」サインがヘイトシンボルのリストに追加されたと報じるなど、近年この動作に対する目線は厳しくなっている。そのような背景もあり、今回の映像には「見過ごせない」という声が多数出た。


FIFAの調査と最終的な結末

FIFAはこの件を認識し、エバンス氏に対して説明を求める方針を示した。 その後、エバンス氏本人が声明を発表。「あのジェスチャーが誤解された理由を理解しており、深く後悔しています。しかし、そのような解釈をされるような行動をとる意図は全くなかったことを明確にしておきたい」

と述べた。また「ワールドカップで審判を務めることは私のキャリアにおける最大の栄誉であり、残りの大会でも同僚たちをサポートできることを楽しみにしています」とも語った。

エバンス氏はさらに「私が説明できる唯一の理由は、それが無意識で不随意な反射行動であり、私自身もそれをしていることに気づいていなかったということです。試合後半の映像には、私が指の間にペンを挟んだまま、この動作を何度も繰り返している様子が映っていました」と説明した。 FIFAは調査の結果、エバンス氏の行為に違反はなかったと発表し、調査を終了した。


今後の行方

ショーン・エバンス氏のジェスチャー騒動は、FIFAの調査によって「違反なし」として幕を閉じた。ただ、同じ動作でも受け取る側によって全く異なる意味に映るという事実は残っており、W杯という世界最大の舞台に立つ審判団に対する視線の厳しさを改めて示した出来事ともいえる。今後も審判団の一挙手一投足に注目が集まりそうだ。

新情報が入り次第、追記します。