旭川女子高生殺害事件

内田梨瑚懲役27年「共犯23年・主犯27年4年の差に込められた司法の論理とそれでも残る量刑への疑問」旭川女子高校生殺害事件

旭川女子高生殺害事件

旭川市の神居大橋から当時17歳の女子高校生を川へ転落させ死亡させたとして、殺人・不同意わいせつ致死・監禁の罪に問われた内田梨瑚被告(23)に対し、旭川地裁(田中結花裁判長)は2026年6月22日、求刑通り懲役27年を言い渡した。

裁判を通じて内田被告は「殺意はない、落としていない」と一貫して主張し続けた。しかし裁判所はその訴えを退け、検察の求刑をそのまま採用した。有期刑の最高刑——その判断に至るまでの裁判の全容を振り返ります。


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旭川市の神居大橋から当時17歳の女子高校生を川へ転落させ死亡させたとして、殺人・不同意わいせつ致死・監禁の罪に問われた内田梨瑚被告(23)に対し、旭川地裁(田中結花裁判長)は2026年6月22日、求刑通り懲役27年を言い渡した。

裁判を通じて内田被告は「殺意はない、落としていない」と一貫して主張し続けた。しかし裁判所はその訴えを退け、検察の求刑をそのまま採用した。有期刑の最高刑——その判断に至るまでの裁判の全容を振り返ります。


発端はSNSへの写真1枚

事件が起きたのは2024年4月のことです。

被害にあった女子高校生は、2024年4月18日午後8時31分ごろ、内田被告が写った写真をSNSに投稿した。女子高校生とSNSでつながっていた少女は、その写真が自分が撮影したものだと気づき、すぐに内田被告へ報告したという。

内田被告は額の汗を拭き、証言台に立ち、当時の心境を「使っている人が私のことを知っているのか、どうなのかと、何が目的なんだろうと思いました」と述べ、その後、15分くらいで女子高校生のSNSのアカウントを自分で調べ、電話をしてくるようメッセージを送ると、女子高校生から電話をしてきたと説明しました。

電話で写真を使った理由を聞くと、女子高校生は「すいません」と謝るばかりで、写真を使った理由は答えてくれなかった。親と話したいと言うと「無理です、親に迷惑をかけたくない」と断られ、女子高校生は「お金を払うので許してほしい」と言い、50万円を払うと伝えてきた。

こうして内田被告は直接会うことを決断。女子高校生は留萌市の道の駅で内田被告と初めて対面することになりました。「Aさんの態度にイライラしていた」と内田被告は法廷で語っています。

合流後、内田被告は女子高校生に土下座を強いた。誰も止められないまま、内田被告の行動はさらにエスカレートしていった。

少女は「梨瑚さんとの上下関係がある中で、梨瑚さんが謝らせている時に止めたら、梨瑚さんの顔が立たなくなって、また怒るかもしれないと思ったからです」と法廷で説明した。


神居大橋までの監禁 その夜に何が起きたか

内田被告はAさんを車に監禁して暴行をし、旭川市内の橋で裸にさせたうえで、動画を撮影。”落ちろ””死ねや”と暴言を浴びせ、川に落としたとされています。

橋の欄干に全裸で座らされた女子高生は「落ちろ」「死ねよ」と何度も怒鳴られ、「限界まで追い込まれ、橋から落ちる以外の選択は考えられない心理状態になった」と検察は指摘しています。

内田被告は「死にたいと言っているのが、本当か確かめたかった。本当に死ぬ気なら服を脱ぐことも平気だと思った」と証言台で語った。また「女子高校生が橋から落ちた瞬間は見ていない」として殺害への直接関与を否定した。

しかし共犯の小西優花受刑者(当時19歳、現在21歳)の証言は、内田被告の主張と真っ向から食い違っていました。「梨瑚さんが肩甲骨のあたりを両手で押しました」と証言したとされ、「梨瑚さんの調書は、最初から最後まですべて嘘です」と法廷でも述べた。


被告人質問 「涙の謝罪」と「長い沈黙」

内田被告は3日間にわたる被告人質問の中で、法廷で初めて謝罪の言葉を口にしました。

6月4日に行われた被告人質問で、内田梨瑚被告は涙を流しながら謝罪。これが、彼女がこれまでの裁判で初めて口にした謝罪の言葉だった。

ただし、その「謝罪」は限定的なものでした。同日の被告人質問で殺意について問われた際は「全くありません」と否定を続けた。弁護側からの質問に対しては「すべて私の責任」としながら涙するものの、検察側から「なんで泣いたんですか?」と質問されると、今度はダンマリ。

事件当時、内田被告と行動をともにしていた女は内田被告との共犯関係や、殺害を認めている。その際、内田被告は証人尋問に出廷したが、真実のみを証言する「宣誓」を「しないです」と拒否したのです。

弁護側は一貫して「殺意なし・実行行為なし」を主張しました。一方で検察側はそれに対し、「被告が突き落としてはいなかったとしても、執拗かつ強度な暴行や脅迫などが死の結果を招いた」として、実行行為をしたと認められると訴えていた。


遺族の言葉 「娘が望む判決を」

裁判の中で最も胸を打ったのは、遺族による意見陳述でした。

被害者の母親の調書には「私の一番の願いはAを生きて帰してもらいたい。しかし、その願いは叶いません。そうである以上、犯人には極刑を望みます」と綴られていた。

公判では、亡くなった女子高校生の母親(代理人弁護士による代読)と父親が、それぞれの胸中を陳述した。遺族の言葉は、事件から2年が経過した今も癒えることのない深い絶望と、被告人への強い処罰感情に満ちていた。

父親は法廷に立ち、「娘はかけがえのない宝物。どうか娘が望む判決を下して」と声を詰まらせた。

被害者の女子高校生には保育士になる夢があったといいます。「被害に遭わなければ、専門学校に入学して、保育士の夢を叶えていたはず。それが突如として絶たれた」と遺族側弁護人は指摘しました。


なぜ「有期刑の最高刑」だったのか

今回の求刑・判決が「懲役27年」という有期刑の上限に設定された理由について、専門家の間でも注目が集まっていました。

検察側は「事件の首謀者で、女子高生の人格の尊厳を踏みにじる極めて残虐な犯行」などと非難し、懲役27年を求刑した。

共犯者の小西受刑者にはすでに懲役23年の判決が確定しています。主犯である内田被告に対して、その量刑を上回りつつ、無期懲役ではなく有期刑の最高刑を選択したのは——共犯との量刑バランスを保ちながら、最大限の制裁を科すという検察の戦略があったとみられています。また、内田被告が殺意を全面否認し続けたことで情状酌量の余地が自ら狭まり、有期刑の上限に至ったという見方もあります。

ネット上でも「無期懲役にすべき」「軽すぎる」という声が相次いでいる一方、「執拗かつ残虐な犯行に対して有期刑の最高刑を適用したことに意味がある」とする声もあり、判決への反応は大きく割れている状況です。


判決 求刑通り懲役27年

裁判員裁判の判決が22日、旭川地裁であり、田中結花裁判長は求刑通り懲役27年を言い渡した。 内田被告が一貫して否定し続けた「殺意」と「実行行為」について、裁判所は検察側の主張を支持する形で認定したとみられます。弁護側が控訴するかどうかが今後の焦点となります。

SNSへの写真1枚から始まり、わずか数時間で17歳の命が奪われた事件。女子高校生に直接謝りたいという言葉を使いながら、最終的に橋へと連れて行った夜——その一連の行動が「計画性なき凶行」であったとしても、結果として17歳の未来が永久に消えた事実は変わりません。